今月の主題 ブレインアタック Brain attack
脳卒中の病態を理解するための基礎知識
脳虚血と再灌流障害,脳浮腫
秋山 久尚
1,2
,
北井 則夫
1,3
1北里大学医学部内科(神経)
2多摩丘陵病院神経内科
3北井クリニック
pp.1052-1056
発行日 2000年7月10日
Published Date 2000/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907522
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●脳血流量の高度な減少により,酸素代謝が維持不可能となった状態が脳虚血と呼ばれる病態で,脳血流量により脳組織機能障害と細胞膜機能障害が認められる.この2つの障害間に脳虚血の可及的な改善により脳組織機能障害の回復が期待できるischemic penumbra領域が考えられている.
●脳血流の再灌流は生じているが,神経症候の増悪をみる病態を脳虚血/再灌流障害(ischemia/reperfusion injury)と呼んでおり,その主役は好中球,血管内皮細胞である.興奮性アミノ酸,フリーラジカル,遺伝子発現,神経栄養因子などの関与が報告されている.
●脳浮腫は脳組織内に水分とナトリウムが異常に増加し,脳組織容積が増大した病態で,細胞障害性浮腫,血管原性浮腫,間質性浮腫とに分類される.
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