特集 ECMO
2.ECMO総論―Part 3.デバイスの原理とその進化
百瀬 直樹
1
Naoki MOMOSE
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター 臨床工学部
pp.285-292
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100527
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
体外式膜型人工肺extracorporeal membrane oxygenation(ECMO)の体外循環回路は,図1に示すように,脱血カニューレ,脱血回路,血液ポンプ,人工肺,送血回路,送血カニューレから構成される。通常,脱血回路には充塡液ライン,送血回路あるいは人工肺に採血ポート,送血回路に流量センサー,人工肺に温度センサーが組み込まれる。ここでは,血液ポンプ,人工肺,送血・脱血部位およびカニューレ,抗血栓処理,そしてECMOシステムとしての工夫について解説する。
Summary
●ECMOでは遠心ポンプが用いられるが,長期の管理において安全性が高い反面,流量の調整が難しく,操作を誤ると逆流するので注意を要する。
●非対称膜や複合膜の人工肺は血漿リークが起こりにくいので,長期にわたるECMOに向いている。
●送血部位により生体内での血流分布が異なるため,採血部位も考慮して送血流量,人工呼吸器と人工肺の換気条件を調整する。
●カニューレサイズで最大補助流量がほぼ決まるので,選定を誤らないようにする。
●抗血栓コーティングには,強力な抗血栓性を有するヘパリンイオン結合,長期の抗血栓性が望めるヘパリン共有結合,非生物由来のコーティングがあるので目的に応じて選定する。
Copyright © 2013, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.