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第1土曜特集 ARDSの治療戦略――個別化診療への道筋
肺傷害のメカニズムと人工呼吸管理
【現在の診療ガイドラインおよびその根拠となる呼吸生理学とエビデンス】
ECMO
ECMO
緒方 嘉隆
1
Yoshitaka OGATA
1
1八尾徳洲会総合病院集中治療科
キーワード:
reversibility
,
rest lung settings
,
mechanical power
Keyword:
reversibility
,
rest lung settings
,
mechanical power
pp.64-70
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2860164
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重症急性呼吸窮迫症候群(ARDS)において,適切な治療・人工呼吸を行っても,肺保護と生命を維持するために十分な酸素化,CO2 removalを得ることが両立しえない状況に陥った場合,肺損傷の可逆性(reversibility)があると判断されればV-V ECMO(veno-venous extracorporeal membrane oxygenation)の導入が適応となる.導入中は極力自己肺を使用せず,mechanical powerを低減させる人工呼吸設定(rest lung settings)とする必要がある.そして最も重要なポイントは,V-V ECMOはあくまでもその導入に至った原疾患(肺病変)が改善するまでの時間稼ぎのツールにすぎないことである.ARDSはmosaicな疾患群であるがゆえにその原因疾患もさまざまであり,鑑別のうえ,適切な治療を行っていくことが必須であることに留意すべきである.
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