特集 呼吸器離脱
5.気管切開の虚像と真実―Part 1:離脱における気管切開の役割:適応とタイミング
難波 義知
1
Yoshitomo NANBA
1
1昭和大学藤が丘病院 救急医学科
pp.736-746
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100471
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読者のなかには,指導医に「人工呼吸開始後しばらくたったので,そろそろ気切しよう」と提案され,何も考えずに気管切開を行い,患者が快適になったように見え,満足した経験をもつ人が少なからずいるであろう。一方,気管切開を経験していくにつれて「しばらく」とは何日なのか,「そろそろ」というからには適切な契機や基準があるのか,なぜ「気切」しなくてはならないのか,「気切」したら患者の予後は改善するのか,などの疑問をもつようになった人もいることだろう。
本稿では,現在の呼吸不全に対する気管切開に関する臨床研究を振り返り,これらの疑問に答えていきたい。
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