今月の主題 呼吸不全とその管理
急性呼吸不全の治療
気管切開の適応と合併症
渡部 美種
1
1秋田大麻酔科
pp.1558-1560
発行日 1977年11月10日
Published Date 1977/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207447
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はじめに
約20年ほど前,欧州で麻酔学を勉強していた頃のことであるが,慢性気管支炎など肺合併症のある患者は術後,喀痰の排出を容易にする目的で,手術後はほとんど全例気管切開を行っていた.
当時,気管切開は気道確保のぎりぎりの手段としか考えていなかったので,あまりにも容易に気管切開を行うのにおどろいたことが今でも思い出される.以来,術後気道確保の目的で痰喀出困難な患者に積極的に気管切開を実施し,効果をあげてきた,
さらに,呼吸不全の患者の治療に積極的になるに従い,またICUでの呼吸不全の患者を治療する上で,気管切開は有効な手段であるとともに,それなりの危険も伴っているので,今回は適応と合併症を中心に述べる.
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