特集 術後管理
3.術後患者に対するgoal-directed therapy―GDTに明日はあるのか
岩井 健一
1
IWAI, Kenichi
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科 集中治療部
pp.231-241
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100411
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重症患者管理において循環動態の安定化は,重要臓器血流の維持,ひいては臓器不全の発症・進行防止という観点から考えた場合,極めて重要である。近年,さまざまな病態において,循環動態の安定化に際して,循環パラメータに目標値(治療エンドポイント)を設定し,それを達成すべく治療介入を行い,患者の予後改善を企図する「目標達成指向型管理goal-directed therapy(GDT)1)」といった概念が提唱され,盛んに研究報告2~4)されている。
本稿では,周術期管理におけるGDTの有効性を検討するとともに,GDTを施行するうえで重要な要素である循環動態の正確な把握,輸液療法,循環作動薬の選択に関して,最近の知見を中心に論じる。
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