徹底分析シリーズ 日本版 敗血症診療ガイドライン2016—診療ガイドラインをどのように臨床に用いるか
初期蘇生:EGDTとモニタリング—EGDTの功績とこれからのGDT
櫻谷 正明
1
Masaaki SAKURAYA
1
1JA広島総合病院 救急・集中治療科
pp.294-299
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201075
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2001年New England Journal of Medicine(NEJM)誌にRiversら1)によるearly goal directed therapy(EGDT)が報告された。筆者が働き出した頃,すでにEGDTは普及しており,当時はあまり数値の意味を深く考えず,目標達成をするように初期蘇生を行っていた気がする。初学者としてはベッドサイドモニターに表示される中心静脈圧(CVP),平均動脈圧,中心静脈血酸素飽和度(ScvO2)の値を見ながらのリアルタイムな治療は安心感があったが,経験を重ねるにつれて,その問題点を徐々に感じるようになった。EGDTには否定的な意見も多いが,普段の診療で目標をもたずに盲目的に治療介入を行うことはほとんどない。それでは何を目標にしたらいいのだろうか?
本稿では目標達成指向型管理(GPT)について一歩踏み込んで考えていきたい。
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