特集 End-of-life
【コラム】futile careと経済―結論の得られていない課題:米国での臨床経験から
反田 篤志
1
SORITA, Atsushi
1
1Beth Israel Medical Center
pp.87-89
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100386
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
「私たちは父が動かなくても,生きているだけでうれしいのです。」
86歳の男性。急性心筋梗塞後に心室細動を起こし,15分間の心肺蘇生(CPR)後に心拍再開。数日経過後も自発運動はみられず,一部の脳幹反射が残るのみ。主治医をはじめ,複数の医師による家族との対話が何度も行われた。医学的に患者の神経学的回復の確率はほぼゼロに近く,医師側から挿管チューブ抜去が提示されるも,家族の意思は固く,その希望に沿ってICUでのケアが継続された。患者は肺炎を合併し,2週間後に死亡。
Copyright © 2012, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.