コンタクトレンズ(6)
過程と結論
長谷川 泉
pp.56
発行日 1959年10月10日
Published Date 1959/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201957
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一つの結論が導き出されるためには,いろいろ材料について検討し,思案をめぐらした上で,おのずから終末点に辿りつくという経過がとられるだろう.いや,時には途中の材料不足のためや,あるいは問題が錯雑しているために,これでよいという結論が導き出されない場合だつてあり得る.思考や論議の途中は,いずれも固定的なものではなく,時には結論とは全く正反対のことが研究され討議されることもあり得るのである.
結論を正しく理解するためには,その途中の思考過程も問題にされ得る.どのような経緯をたどつて,そのような結論に到達したかを知ることは投げだされた結論の内容の理解に必要だからである.思考の過程や論議の内容が必要なのは,その意味においてであつて,重要なのはやはり結論である.途中の過程は,結論を理解するための手段に過ぎない.
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