特集 急性心不全
【コラム】慢性心不全増悪時に長期投与β遮断薬を中止すべきか?
長友 祐司
1
,
香坂 俊
1
Yuji NAGATOMO
1
,
Shun KOHSAKA
1
1慶應義塾大学医学部 循環器内科
pp.764-766
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100351
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慢性心不全患者に対するβ遮断薬投与については多くの前向き無作為化比較試験でその有効性が証明されており1,2),米国・ヨーロッパ・日本のガイドラインでも推奨されている。しかし,β遮断薬投与中の患者で慢性心不全が急性増悪し加療が必要とされる場合に,陰性変時・変力作用を有するβ遮断薬を中止・減量すべきか否かについては結論が出ていないため,臨床現場で常に頭を悩ます問題である。また,β遮断薬投与による「不都合な」作用と得られる利益(交感神経系による有害作用を抑制)の両者がどのように影響しあうかについては,いまだ詳細は不明である。よってβ遮断薬を中止するか,減量するか,または維持量で継続するかについては,個々の医師の判断によっているのが実情である。
いまだ結論が完全に出ているわけではないが,この問題について後向きに解析した臨床研究を以下に紹介する。
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