Japanese
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特集 循環器系薬剤を見直す—薬剤選択と用量を検証する
慢性心不全に対するβ遮断薬
β-receptor Antagonist for Chronic Heart Failure
麻野井 英次
1
Hidetsugu Asanoi
1
1富山医科薬科大学第二内科
1Second Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, Toyama Medical and Pharmaceutical University
pp.975-979
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901971
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はじめに
1975年Waagstein1)の報告以来,慢性心不全に対するβ遮断薬の長期有効性に関する多くの大規模研究が報告された.これにより今日β遮断薬の慢性心不全治療における位置は確立したと言えよう.アンギオテンシン変換酵素阻害薬,利尿薬,ジギタリスに加え,β遮断薬が導入されたことで心不全治療の選択肢が増したことは,臨床家にとって好ましいことである.しかし現実には,本邦での慢性心不全に対するβ遮断薬の使用は必ずしも普及していない.その理由はβ遮断薬の承認許可が下りていないこともあるが,β遮断薬を心不全にどのように使えば安全かつ有効なのか,日本人に対するガイドラインが確立していないことにもよると思われる.
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