特集 小児日常診療でその薬を使うとき・使うべきでないとき
V 呼吸器・循環器
61.心不全とβ遮断薬
小澤 綾佳
1
,
市田 蕗子
1富山大学 医学部小児科学教室
キーワード:
Adrenergic Beta-Antagonists
,
心エコー図
,
心不全
,
薬物用量反応関係
,
治療成績
,
Brain Natriuretic Peptide
,
Carvedilol
,
禁忌(治療)
Keyword:
Adrenergic beta-Antagonists
,
Echocardiography
,
Dose-Response Relationship, Drug
,
Heart Failure
,
Treatment Outcome
,
Natriuretic Peptide, Brain
,
Carvedilol
pp.1636-1637
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2017086333
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成人の心不全に対するβ遮断薬治療が主流となるに従い,小児心不全治療への応用も進んだ.しかし小児心不全に対する最も大きな臨床試験では,β遮断薬の有効性は示されなかった.理由として,対象の小児心不全症例に先天性心疾患(右室主心室も含む),拡張型心筋症が混ざっており,拡張型心筋症や虚血性心疾患が主疾患である成人の試験と同じ条件とはいえないことが挙げられる.実際に,その他の小児拡張型心筋症を対象とした臨床試験では,カルベジロールの有効性が示されている.少なくとも左室を主心室とした心機能低下例には推奨される治療といえる.
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