Japanese
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特集 腎代替療法 Update
総論
CRRT
Continuous renal replacement therapy
土井 研人
1
DOI Kent
1
1東京大学大学院医学系研究科救急・集中治療医学
キーワード:
前希釈
,
吸着
,
低リン血症
Keyword:
前希釈
,
吸着
,
低リン血症
pp.479-481
発行日 2025年10月25日
Published Date 2025/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002059
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はじめに
腎代替療法(renal replacement therapy:RRT)は,末期腎不全に対する治療として,わが国で数十万人の患者において日々行われている。廃絶した腎機能を代替する治療により,生命の危機に瀕する病態をきたさないことから,最長では50年を超えてRRTによる治療を受けている患者も報告されている。一方,救急・集中治療領域における重症患者は,高い頻度で腎障害を合併することが知られており,最重症の腎障害を呈した場合にもRRTが施行される。わが国の集中治療室(intensive care unit:ICU)において,RRTを受けた急性腎障害(acute kidney injury:AKI)患者の院内死亡率は,経年的に改善傾向であるものの,約40%程度と報告されている1)。これらの患者の約80%は,持続的RRT(continuous RRT:CRRT)にて治療が開始されているが,間欠的RRT(intermittent RRT:IRRT)に比べて院内死亡率が高いことも明らかとなった。循環動態が不安定で緩徐な除水が必要であること,高度の代謝性アシドーシスが解除されず持続的な透析が必要な症例は,必然的にCRRTが選択されると想定され,このような患者は敗血症や心不全による多臓器不全を合併していることが多く,高い死亡率を呈するに至る。

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