特集 重症感染症
2.意識障害と感染症―(2)細菌性髄膜炎とウイルス性脳炎
平岡 栄治
1
,
宮本 宣友
1
Eiji HIRAOKA
1
,
Yoshitomo MIYAMOTO
1
1神戸大学医学部附属病院 総合内科
pp.15-35
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100257
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[細菌性髄膜炎]
中枢神経系の感染症には急性細菌性髄膜炎,結核性髄膜炎,真菌性髄膜炎,ウイルス性髄膜炎,脳炎,脳膿瘍,硬膜下膿瘍,感染性血栓性静脈炎などがある。ウイルス性髄膜炎のように,通常は自然軽快していく一方で,急性細菌性髄膜炎,結核性・真菌性髄膜炎はしばしば脳にまで炎症が及び,意識障害,痙攣,脳圧亢進など重篤な合併症を引き起こし,死に至る可能性がある,いわゆる内科エマージェンシーの1つであり,早期に疑い診断をつけ,適切な処置をしなければならない。市中感染症としても重要だが,脳外科手術後などの合併症として院内発症した細菌性髄膜炎も重要である。ここでは米国感染症学会Infectious Diseases Society of America(IDSA)1)や欧州神経学会European Federation of Neurological Societies(EFNS)2)のガイドラインを中心に,細菌性髄膜炎のマネジメントについて,筆者が日米で経験した症例を交えて概説する。
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