特集 重症感染症
3.呼吸器症状と重症感染症
八重樫 牧人
1
Makito YAEGASHI
1
1亀田総合病院 総合診療・感染症科
pp.37-45
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100258
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日本の診療で最も軽視されている診断技術は何か。それは病歴聴取である。患者が軽症で話ができる状態であれば,その有用性は特に高く,56~82%の診断は病歴で判明し,身体所見(9~17%)や検査(9~23%)はそれを確認するのみであることを示した,複数の内科外来患者での研究1~3)もある。本稿ではまず,呼吸器症状のうち,代表的な「呼吸困難」,「喀血」,「喘鳴」について述べる。「咳」は頻度が高い症状ではあるが,発熱や呼吸困難など,他の症状を伴わない場合は重症感染の可能性は高くないので割愛する。次に,重症呼吸器感染症のうち臨床的に重要なトピックである重症市中肺炎,レジオネラ肺炎,重症院内肺炎,市中型MRSA肺炎をピックアップして述べる。
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