特集 AKI
5.AKIの予防,治療,管理
(2)フロセミドとアルブミン―利尿薬,アルブミンの使用は予後を改善するのか?
相馬 友和
1
Tomokazu SOUMA
1
1東北大学大学院 腎高血圧内分泌学分野・医化学分野
pp.517-522
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100246
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集中治療を受ける患者の管理において,呼吸・循環動態を維持するために一見相反する管理が日常的に必要となることがある。十分な酸素化を得るために極力肺水腫を避けようと,過剰な輸液を避ける管理がある。一方,適切な前負荷を維持し十分な心拍出量を得るために,輸液を十分に負荷する管理がある。そうしたなか,体液管理を容易にするために利尿薬の経静脈的な投与が日常的に行われている。利尿薬には,腎臓のネフロンにおいて作用部位が異なる数種の薬物が存在し,そのなかでも集中治療領域では,Henleの太い上行脚に作用するループ利尿薬,特にフロセミドの静注または持続静注が最も頻用されている。そこで本稿では,集中治療を受ける患者が乏尿や急性腎傷害(AKI)を合併した際のループ利尿薬の使用について,最近の知見を踏まえて考える。また,体液量管理のうえで重要なアルブミン製剤の使用についても,その適応を考える。
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