特集 AKI
5.AKIの予防,治療,管理
(1)一般的予防策,初期治療―AKI患者を診る腎臓内科医は何を考えているのか?
赤井 靖宏
1
Yasuhiro AKAI
1
1奈良県立医科大学 卒後臨床研修センター
pp.509-515
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100245
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急性腎不全・腎傷害(以下AKI)は集中治療分野でしばしば遭遇する腎疾患である。さまざまな医療技術,医療システムの進歩にもかかわらず,AKIを合併した入院患者の死亡率は高く,集中治療を要する患者がAKIを合併した場合の死亡率は約50%とも報告1)されている。AKIの原因は多彩であるが,本稿では,集中治療分野で遭遇することの多い,腎前性AKIと急性尿細管壊死(ATN)を中心に,その一般的予防策と初期治療について述べる。
AKIの初期治療には,まず患者がAKIであることを医療者が認識することが重要である。これは単純なことのようだが,例えば,血清クレアチニン値だけを指標にしているとAKIの診断が遅れることがあるなど,AKI診断のポイントを知る必要がある。そこで本稿では,まずAKI診断の問題点と腎臓専門医のAKI初期評価について簡単に触れた後, AKIの一般的予防策と初期治療について詳述する。
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