急性腎障害(AKI)-概念の確認から、さらなる予後改善を目指して
《AKIの予防と治療》薬物療法
柳澤 紀子
1
,
清元 秀泰
1東北大学 腎・高血圧・内分泌内科
キーワード:
Dopamine
,
急性腎障害
,
輸液療法
,
腎置換療法
,
Carperitide
Keyword:
Dopamine
,
Renal Replacement Therapy
,
Acute Kidney Injury
,
NPPA Protein, Human
pp.415-418
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012335880
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●AKIの予防および治療の際にはさまざまな薬物が投与される。「AKIの薬物療法」としては、「AKI時に投与する薬物」と「AKI時に投与量を調節するべき薬物」の2点があげられる。両者とも基本的に腎機能の回復を促進するものではない。●現段階では、造影剤に起因するAKIの発症抑制に選択的カテーテルによるfenoldopam動注療法に期待はあるものの、AKIの際に積極的に投与すべき治療薬のエビデンスはない。●現時点における臨床でのAKIへの対応としては、発症を予防することがもっとも重要であり、次いで、適切な体内環境(体液量や循環動態)の是正に努め、発症したAKIの遷延から慢性腎不全への進展を抑制するべく対応することが肝要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012