特集 AKI
4.AKIの診断・検査:その常識にチャレンジする
(3)バイオマーカー―新規バイオマーカーの有効性と妥当性
松井 勝臣
1
,
池森 敦子
1
,
木村 健二郎
1
Katsuomi MATSUI
1
,
Atsuko IKEMORI
1
,
Kenjiro KIMURA
1
1聖マリアンナ医科大学病院 腎臓高血圧内科
pp.501-508
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100244
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急性腎傷害acute kidney injury(AKI)の診断は通常,血清クレアチニン(sCr)値,尿量で行われる。しかし,指標となっているsCr値は,腎障害に伴い,糸球体濾過量(GFR)が低下しても,すぐには上昇せず,またGFRが回復傾向にあっても,しばらく上昇し続けることがあり(図1)1),急性の変化をとらえる早期マーカーならびに治療効果のモニタリング,予後予測マーカーとしての有用性は高くない。さらにsCrは,体重,人種,性別,薬物,筋代謝,栄養状態などの腎外性因子の影響を受けやすい。したがって,測定が簡単で,他の生物学的因子の影響を受けにくく,さらに疾患の早期発見とリスク分類,予後予測を可能とするバイオマーカーの開発は,AKI診断において極めて有用である。
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