特集 最新の動脈硬化診療―どう診断し,どう治療するか?
診断法:血液生化学検査
一般脂質から何を考えるか
周東 佑樹
1
,
長尾 元嗣
1
,
及川 眞一
1
1日本医科大学内分泌代謝内科
pp.972-976
発行日 2013年6月10日
Published Date 2013/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106831
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脂質異常症の診断は血清脂質の測定に始まる.健診や日常診療において簡便に測定できる血清脂質検査は総コレステロール(TC),HDLコレステロール(HDL-C)および中性脂肪〔トリグリセリド(TG)〕である.本稿ではこれら3種類の脂質を「一般脂質」と定義した.TCはすべてのリポ蛋白注1)に含まれるコレステロールの総量である.これらの濃度変化は,リポ蛋白の合成と異化・分解のバランスの結果である.
臨床の場でリポ蛋白分析やアポ蛋白測定を頻繁に行うのは現実的ではない.基本的なリポ蛋白代謝の流れ(図1)を正しく理解したうえで,一般脂質の異常からリポ蛋白代謝異常症の実態を考えて診療することが重要である.この理解は治療薬の選択に通じる.本稿では一般脂質の測定について概説し,その結果から考えられる病態の鑑別方法について解説する.
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