特集 急性膵炎
1.ガイドラインの改訂と重症度判定基準について―本邦初のエビデンスに基づいたガイドラインと世界初のPancreatitis Bundle
真弓 俊彦
1
Toshihiko MAYUMI
1
1一宮市立市民病院 救命救急センター
pp.591-602
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100086
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急性膵炎は全体での死亡率は10%ほどから7%台へと低下傾向にあるものの,最重症膵炎例では依然として30~70%の死亡率が報告されている難治性疾患である。
急性膵炎診療ガイドラインは,2003年に本邦初のevidence-based medicine(EBM)の手法を取り入れたガイドラインとして作成され1),2007年に改訂された2)。さらに,2008年の厚生労働省(厚労省)の診断基準ならびに重症度判定基準が改訂されたことに伴い,新たな知見を加え,2009年に「急性膵炎診療ガイドライン2010」3)として発刊された。
筆者はこれらの急性膵炎診療ガイドラインの作成に中心的にかかわってきたので,作成の経緯について報告するとともに,現在の急性膵炎診療における問題点について解説する。また,最後に本特集のまとめも示す。
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