特集 急性膵炎
【コラム】輸液―初期治療での輸液の基本は晶質液の急速投与
和田 慶太
1
Keita WADA
1
1帝京大学医学部 外科学講座
pp.604-606
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100087
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急性膵炎は,さまざまな化学的・機械的刺激により誘発され,膵内で産生された膵酵素の活性化による自己消化,および多量に産生される炎症性・抗炎症性サイトカインにより容易に全身性炎症反応症候群(SIRS)から多臓器不全症候群(MODS)を引き起こす急性炎症性疾患である。現在のところ,急性膵炎を特異的に改善させるような薬物はなく,初期治療においては,輸液が中心的役割を担っている。急性膵炎による死因が,早期の循環不全に基づく臓器不全によるものと,晩期の重症感染症に基づくものの二峰性であることからも,急性膵炎の早期診断とともに,初期治療として適切な輸液を行うことは極めて重要である。
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