連載 2024のシェヘラザードたち 第8夜
医療安全管理という専門性—横断的に組織を見て仕組みを作る
菊地 龍明
1
1横浜市立大学附属病院 医療の質・安全管理部
pp.999-1003
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101203071
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私は2013年から横浜市立大学附属病院で医療安全専従の医師を務めている。特定機能病院に医療安全専従医師の配置が義務化されたのが2016年(2018年まで猶予期間)であるので,国内で医療安全を生業とする医師の中では比較的長い経験を有する立場となっている。
表1は厚生労働省ホームページの「主な医療安全関連の経緯」の年表の冒頭部分である1)。年表は1999年(平成11年)に横浜市立大学附属病院で起きた患者取り違え事故から始まっており,これは,1999年以前は国としての医療安全政策が何も行われておらず,この事故をきっかけに日本の医療安全対策が始まったことを物語っている。この患者取り違え事故が私の進路に影響したことは間違いないが,計画的にこの道を進んできたというよりも,その場,そのときにやるべきことを行ってきた結果が今に至ると言ったほうが近い。
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