徹底分析シリーズ MICS麻酔デビューに向けて—低侵襲僧帽弁手術を低侵襲で終わらせよう!
MICSにおけるピットフォール—合併症を回避して真の低侵襲手術を目指そう
隈元 泰輔
1
Taisuke KUMAMOTO
1
1済生会熊本病院 麻酔科
pp.880-886
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101203035
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低侵襲心臓手術minimally invasive cardiac surgery(MICS)においては,限られた視野での手術操作に伴う合併症や,末梢血管での体外循環に伴う合併症が起こり得る。これらの合併症はハートチームの経験が浅いうちに多く,致命的な経過を辿る場合がある。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」とは,兵法書である孫子/謀攻篇の一節であり,敵と味方の両方の情勢を知っていれば,何度戦っても敗れることはないということを意味する。MICSを「百戦あやうからず」に導くためには,起こり得る合併症(敵の情勢)を理解し,予防や早期発見の方法(味方の情勢)に精通しておく必要がある。MICSの安全対策について心臓血管外科医や体外循環技士と共通認識をもち,真の低侵襲手術を目指そう。
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