徹底分析シリーズ —なるほどナットク!—ICUにおける人工呼吸—後編
明日の麻酔とリンク!—ICUでの学びを手術麻酔に活かす
諏訪 皓士
1
,
吉永 晃一
1
,
讃井 將満
2
Koshi SUWA
1
,
Koichi YOSHINAGA
1
,
Masamitsu SANUI
2
1自治医科大学附属さいたま医療センター 麻酔科・集中治療部
2自治医科大学附属病院 救命救急・総合集中治療センター 集中治療部
pp.290-295
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202864
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ここまで,ICU領域で蓄積されてきた人工呼吸管理の考え方や理論について学んできた。ICUと手術室での人工呼吸管理について考えてみると,鎮静の深さ,筋弛緩薬使用の有無,自発呼吸との同調考慮,呼吸管理の時間などが挙げられる。また,そもそもICU患者のほうが酸素化・換気の問題を抱えていたり,循環動態が不安定であったりと患者層にも違いがある。一方で,非生理学的な呼吸様式を強いる人工呼吸管理は必要悪であり,人工呼吸による弊害,いわゆる人工呼吸器関連肺傷害ventilator-associated lung injury(VALI)を最小限にしようとする目的は,手術室でもICUでも共通している。
本稿では,麻酔科医がICUでの人工呼吸管理を勉強した際に,それがどのように手術室での麻酔に活かせるのかを考えていく。
Copyright © 2024, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.