症例ライブラリー 無痛分娩中の帝王切開
無痛分娩中の疼痛管理が困難に
片倉 友美
1
Yumi KATAKURA
1
1聖路加国際病院 麻酔科
キーワード:
絨毛膜羊膜炎
,
CAM
,
無痛分娩効果不良
,
再穿刺
Keyword:
絨毛膜羊膜炎
,
CAM
,
無痛分娩効果不良
,
再穿刺
pp.138-141
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202822
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■症例
37歳の女性。1経妊0経産。身長160cm,体重70kg(非妊娠時体重58kg)。既往歴に特記事項なし。妊娠39週0日に破水で入院した。入院翌日,子宮口開大3cmで疼痛の増強があり,無痛分娩導入となった。体温36.8℃,炎症徴候を認めない。
■経過
無痛分娩導入後,バイタルサイン,意識レベルに問題はなく,初期鎮痛を得た。導入時の冷覚消失はT10からS領域まで確認,左右差は認めなかった。微弱陣痛に対して陣痛促進剤が開始された。その後,分娩は緩徐に進行し,麻酔導入から6時間後,子宮口は7cm開大であった。分娩の進行に伴い,痛みを訴えるようになった。局所麻酔薬を追加すると痛みは軽快するものの,頻回の追加を必要とした。体温が38.5℃に上昇したため,血液検査を行ったところ,白血球17500/μL,CRP 7.5mg/Lと炎症高値を認めた。胎児心拍数陣痛図cardiotocogram(CTG)では軽度の変動一過性徐脈が認められる。分娩の進行は乏しく,2時間ほど所見が変わらない。
妊婦のnumerical rating scale(NRS)が7と助産師から麻酔科にコールがあった。
さて,あなたならどうする?
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