増刊号 周産期診療のための病態生理
[新生児編]
感染
予防的な抗菌薬投与の功罪はなにか
垣内 五月
1
KAKIUCHI Satsuki
1
1東京女子医科大学病院新生児科
キーワード:
CAM
,
PROM
,
GBS
,
耐性菌
,
antimicrobial stewardship
Keyword:
CAM
,
PROM
,
GBS
,
耐性菌
,
antimicrobial stewardship
pp.452-455
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001341
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新生児領域における抗菌薬投与
NICUでは,しばしば入院児に予防的抗菌薬投与や経験的抗菌薬治療が行われる。新生児は免疫応答が未熟で細菌感染症への抵抗力が弱い。早産児ではさらにその傾向が強いうえ,経胎盤性の母体からのIgG移行が少なく,皮膚や粘膜のバリアが未成熟であり,正常な常在細菌叢が未形成で,細菌感染症に対して脆弱である。そもそも早産そのものが,細菌性腟症・子宮頸管炎・羊膜絨毛膜炎(chorioamnionitis:CAM)を介して羊膜が破綻し,前期破水(preterm rupture of membrane:PROM)に至った場合など,感染症と関連している場合がある1)。
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