症例ライブラリー これ,人工心肺から離脱してOK?
人工心肺離脱時に起きた低血圧
桑名 圭祐
1
Keisuke KUWANA
1
1福島県立医科大学 麻酔科学講座
キーワード:
後腹膜腔出血
,
MICS AVR
,
脱血不良
,
循環血液量減少
Keyword:
後腹膜腔出血
,
MICS AVR
,
脱血不良
,
循環血液量減少
pp.1037-1039
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202696
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78歳の女性。身長152cm,体重48kg。IgA腎症による慢性腎臓病(CKD)のため,50歳から週3回の維持透析を行っている。10年前から心雑音を指摘され,近医を受診し軽度大動脈弁狭窄症(AS)の診断で年1回の心エコーでフォローされていた。X年4月の経胸壁心エコー検査(TTE)でASの増悪が判明し,さらに半年後のフォローでも増悪傾向にあった。この頃から月1回程度で胸痛を自覚するようになったため,大動脈弁置換術(AVR)が予定された。
術前の心機能はTTEで左室駆出率(LVEF)68%,明らかな壁運動異常なし,大動脈弁は三尖でいずれも高度に石灰化しており,大動脈弁通過血流最大速度4.6m/sec,左室-大動脈弁平均圧較差49mmHg,大動脈弁口面積係数0.59cm2/m2の重度ASと評価された。ほかの弁に明らかな異常はなかった。維持透析中ということもあり,胸骨部分切開による低侵襲大動脈弁置換術(MICS AVR)が予定された。
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