症例ライブラリー 今日もまたいつもの腹腔鏡
腹腔鏡下手術中に起きた低血圧
小田 亜希子
1
Akiko ODA
1
1川崎医科大学附属病院 麻酔・集中治療科
キーワード:
高度脱水
,
高度頭低位
,
肥満
,
出血
,
低血圧
Keyword:
高度脱水
,
高度頭低位
,
肥満
,
出血
,
低血圧
pp.726-729
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202989
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■症例1
80歳の女性。身長153cm,体重75kg(BMI 32)。2日前からの食思不振,発熱,右季肋部痛を主訴に救急受診。腹腔鏡下胆囊摘出術となった。高血圧症に対しカルシウム拮抗薬,脂質異常症に対しスタチン内服中。術前検査で,白血球数15000/μL,C反応性蛋白(CRP)20mg/dLと炎症反応の上昇を認めていた。
■麻酔経過
入室後の血圧は160/80mmHg,心拍数90bpmであった。麻酔はフェンタニル150μg,プロポフォール50mg,ロクロニウム50mgで迅速導入し,セボフルラン,レミフェンタニルで維持した。麻酔導入後の膀胱温は38.5℃であった。
気腹圧は12mmHgとした。使用薬物はセボフルラン1.2%,レミフェンタニル0.13μg/kg/minであった。頭高位と左下傾斜への体位変換後,血圧60/35mmHg,心拍数110bpmと急激な血圧低下と頻脈を認めた。
さて,あなたならどうする?
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