徹底分析シリーズ 気道管理“気導道”免許皆伝を目指して(後編)
酸素投与デバイス—適切な酸素療法のための使い分け
佐藤 暢一
1
Nobukazu SATO
1
1東京都済生会中央病院 麻酔科/集中治療科
pp.528-532
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202543
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マスクや鼻カヌラを使用した酸素療法は広く利用されているが,あまり深く考えずに行われていることが多く,不適切な使い方もしばしば見受けられる。ボンベや配管から送出される酸素の濃度は100%で,使用するデバイスや流量の選択により患者の吸入気酸素濃度が決まるが,患者状態によっても変化する。また医療用酸素は,沸点-183℃の液体酸素を外気温で気化させたものを,吸湿フィルターを通して供給しており,基本的に体温より低温で,湿度0%の乾いたガスである。そのため室内気との混合や加温加湿による調整を考えて使用しないと,患者の体温低下,気管分泌物の固形化,気管粘膜上皮細胞の線毛運動低下による分泌物クリアランス能力の低下などの悪影響を及ぼすこともある。
本稿では日常でなにげなく使用している酸素療法のデバイスを改めて見直したい。
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