徹底分析シリーズ 手強いリターンマッチ—再手術の麻酔
帝王切開後の弛緩出血で子宮摘出術—産科危機的出血を戦略とチームで乗り越える
野中 崇広
1
Takahiro NONAKA
1
1熊本市民病院 麻酔科
pp.184-189
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202454
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
日本での妊産婦死亡のうち,産科危機的出血は20%を占める。これは2019年に7%まで低下したのちに再び増加傾向にあることを示している数字であり,さらに急性期の死亡原因としてはより高率となる。また,昨年は2018年以来となる弛緩出血を契機とする危機的出血での死亡も報告されており,麻酔科医は産褥出血をみたら「急変するかもしれない」という意識を常にもたねばならない。いかに早く緊急事態を宣言して救命の連鎖スイッチを入れるかが鍵となり,さらに麻酔科医にはコマンダーとしての役割も期待される。
Copyright © 2023, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.