徹底分析シリーズ 発達期の脳に対する麻酔・鎮静薬の影響:いまとこれから
基礎研究の立場から—自験例を含めた文献報告を踏まえ現在わかっていること
内田 洋介
1
,
斉藤 仁志
1
,
森本 裕二
1
Yosuke UCHIDA
1
,
Hitoshi SAITO
1
,
Yuji MORIMOTO
1
1北海道大学大学院医学研究院 麻酔・周術期医学教室
pp.470-474
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202247
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麻酔薬の中枢神経系抑制作用は可逆的であると考えられてきたが,新生児および乳幼児に対する全身麻酔が,発達期の脳に対して長期的かつ不可逆的影響を与えるかもしれないという懸念が1980年代から報告され始めた。特に1990年代後半から,生まれて間もない齧歯類へ投与された麻酔薬がアポトーシス誘導を主とする神経細胞毒性を起こすことが報告され,以後,麻酔薬の神経毒性に関する研究が世界的に急速に進められてきた。
本稿では動物モデルを中心とした基礎研究から得られた知見について紹介する。
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