マイオピニオン
コロナ禍で病院長になって
海老原 全
1
Tamotsu EBIHARA
1
1東京都済生会中央病院
pp.848-849
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207111
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2020年3月31日,院長就任を翌日に控えた夜,わが家の電話が鳴りました.このような時間の電話はだいたい私の仕事関連の要件なのですが,その日退任したばかりの院長からでした.私どもの病院は大学と連携をとっている「関連病院」という位置付けの病院で,各診療科とも大学から数名の医師が派遣されてきています.その大学で新型コロナウイルス感染症(以降,コロナ)のクラスターが起こり,4月1日付けで着任予定になっていた医師が派遣できない,非常勤医師も当面出勤停止という内容でした.明日に備え早めに就寝しようとしていた矢先のカウンターパンチでした.翌4月1日は新しい入職者を集めての入職式やオリエンテーションなど,種々の行事が予定されていましたが,予定の変更などに追われることとなり,私の院長としての生活は慌ただしく始まり,今に至るまでの3年間,コロナに振り回される毎日となりました.
私見ですが,院長職に就かれる方は外科,内科の先生が多いようにお見受けしていましたので,まさか皮膚科医の私がご指名に与るとは思ってもいませんでした.実際他の病院との院長会などに出席すると,外科系の院長のグループと内科系の院長のグループとに分かれ談笑されていることが多く,アウェイ感があることは否めません.実際,初めてお目に掛かる方からの「どのような経緯で院長に…」という疑問ありげな雰囲気を感じることもよくありました.
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