症例カンファレンス
左室流出路狭窄患者の大腿骨転子部骨折手術
澤田 憲一郎
1
,
小坂 順子
2
,
武井 祐介
3
,
外山 裕章
3
,
宮本 美希
4
Junko KOSAKA
2
,
Yusuke TAKEI
3
,
Hiroaki TOYAMA
3
,
Miki MIYAMOTO
4
1板橋中央総合病院 麻酔科
2岡山大学医学部 麻酔科蘇生科
3東北大学病院 麻酔科
4湘南鎌倉総合病院 麻酔科
pp.557-573
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201994
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「抗血栓薬飲んでるから,刺しものは止めようね」「肺が悪いからor心臓が悪いから,全身麻酔は回避しよう」……手術患者の高齢化が進む中,毎日のカンファレンスでおなじみの会話かもしれない。一つ一つの問題点への対処方法は,各施設で定型的なものができあがっていることも多いであろう。では,これらの問題点を併せもつ患者に麻酔をかけるならどうするか? これが今回のテーマである。
患者が高齢化すると,麻酔管理上の問題点も増加する。複数の重大な問題点をもつ患者にどう麻酔をかけようかと文献を当たっても,なかなか答えは見つからない。問題点は多数あり,その組合せはそれこそ無数で,目の前の症例に合致する文献が見つかる確率は低い。日本の高齢化率は世界の中でもトップであり,このような局面に直面することはまれではない。
本症例とまったく同じ症例を経験することはないかもしれない。しかし,一つの症例について,自分の意見と他人の意見を正面切って比較できる機会というのは意外と少ない。読者の施設ではどのような麻酔管理を行うか。ぜひとも一緒に考えていただきたい。
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