徹底分析シリーズ 外国人患者への緊急手術
帰国時の注意点—飛行機に乗せて安全に母国に帰すには…
山内 素直
1
Sunao YAMAUCHI
1
1友愛医療センター 救急科
pp.504-509
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201981
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日本での緊急手術を無事に乗り越えた後の外国人患者の帰国に関しては,医学的側面はもちろんのこと,患者や家族の背景にある社会的,経済的側面も考慮しなければならない。また,実際の帰国までのプロセス(現地での受け入れ医療機関の選定,帰国に必要な書類の作成,搬送手段の選定と手配など)およびその後のケアに関して調整・サポートを行うエージェントとの綿密な連携も重要となる。
筆者は,米国のERで救急医として勤務する傍ら,フライトドクターとしてニューヨークを拠点にさまざまな航空医療搬送に携わった経験をもつ。民間航空機や医療専用機を用いた医療搬送の経験は20件以上,寄港地も15か国を超え,米国内のみならず,遠くは北欧,中東やアフリカなどへの長距離の国際医療搬送も経験した。
本稿では,帰国サポート業務の中でも実際に航空機を用いた患者搬送を行う際の実践的な注意点について解説する。
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