徹底分析シリーズ 外国人患者への緊急手術
同意書取得の法的な観点—合意を得たうえで診療を開始する
大磯 義一郎
1
Giichiro OISO
1
1浜松医科大学医学部 総合人間科学講座法学
pp.486-489
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201977
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インフォームドコンセントは,米国の裁判闘争の中から生まれた概念であり,日本においては「説明と同意」と訳され普及した。一方で現在は,行き過ぎた個人主義,対立構造や合理的一般人というフィクションである等の批判から,医療界においては,治療方針の決定モデルとしてshared decision making(SDM)*1が推奨されるようになっている。ただ,訴訟実務においては,いまだにインフォームドコンセントモデルが採用されていることから,医療実務においても,インフォームドコンセントモデルを意識したうえで対応することが求められる。
本稿では,現在の訴訟実務におけるインフォームドコンセントについて,「説明」と「同意」につき一般的な解説をしたうえで,緊急手術時の注意点および,外国人患者に対する際の注意点につき解説する。
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