徹底分析シリーズ 血管穿刺:より確実に よりスマートに
肥満患者の場合—細くてもよいから確実な1本を
肥田野 求実
1,2
Gumi HIDANO
1,2
1四谷メディカルキューブ 麻酔科
2東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座
pp.408-413
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201959
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肥満患者で末梢静脈路確保が難しいことは昔から知られていた。ひと昔前,大手術の場合は前夜に中心静脈カテーテルを挿入するか,カットダウンで血管を確保すれば手術室滞在時間を短縮できる1)などと本気で論じられていたが,肥満患者の太くて短い頸部を想像しただけでも重大な合併症が脳裏をよぎる。透視下に挿入するにしても,多忙な放射線科医に依頼するのは気が引ける。できることなら末梢静脈路だけで手術を乗り切りたい。しかし,肥満患者の末梢静脈路確保の具体的方法について述べている文献はほとんどなく,超音波装置の使用を推奨している2〜5)程度である。
本稿では,肥満患者の末梢静脈路確保を中心に,四谷メディカルキューブ(以下,当院)で安全確実にしかもスマートに血管を確保するために日頃行っている方法と心がけていることを紹介する。
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