徹底分析シリーズ 血管穿刺:より確実に よりスマートに
巻頭言
渡部 達範
1
1新潟大学地域医療教育センター魚沼基幹病院 麻酔科
pp.373
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201952
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- 文献概要
麻酔科へようこそ! 麻酔科の仕事は手術麻酔をはじめ多岐にわたるが,そのほとんどの分野で迅速かつ確実な「血管穿刺」技術を必要とする。企画者が麻酔科に入ってすぐの頃,穿刺がうまくいかず沈んでいると,「経験を重ねていけばできるようになるよ〜」とやさしく言われた。しかししばらくすると,「そんな刺し方では,いくらやっても上達しないぞ」と言われるようになった。血管穿刺の“理屈”をよくわかっていないことを見透かされたのであろう。
確かに,経験を積むだけでも成功率はある程度は上がるが,理屈を知らなければ成功率は頭打ちになる。今となれば当たり前のことではあるが,「ひたすら続けていれば,そのうちうまくできるようになる」と思ってしまっていた自分には目から鱗であった。
穿刺の方法としては,ブラインド穿刺と超音波ガイド下穿刺が広く行われている。それぞれに適している場面があり,両者とも現在では必須の手技であるが,それぞれの方法に“穿刺の理屈”が存在する。その理屈を理解した後に経験を積むことで,成功率を飛躍的に向上させることができる。
本徹底分析シリーズでは,ブラインド法と超音波ガイド下法,それぞれの“穿刺の理屈”を解説することを試みた。ぜひ,今後の穿刺成功率の向上にお役立ていただきたい。
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