徹底分析シリーズ パルスオキシメータ:世界の患者安全を変貌させた発明
指先型パルスオキシメータ開発の経緯 The History of the Development of Fingertip Pulse Oximeters
吉矢 生人
1
,
山西 昭夫
2
Ikuto YOSHIYA
1
,
Akio YAMANISHI
2
1元 大阪大学医学部 麻酔学教室
2元 ミノルタカメラ株式会社(現 コニカミノルタ株式会社)
pp.258-261
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201925
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パルスオキシメータは,今や世界中で血圧計や心電図などと同等の必要欠くべからざる医療機器となっている。その基本原理を発明し,世界で初めて脈波を利用した非侵襲的な血液酸素飽和度測定機器を開発したのが青柳卓雄博士である。
2020年4月に青柳博士のご逝去を知り,基本原理の発明にとどまることなく直近まで偽アラームの起きない真のパルスオキシメータ開発に情熱を注ぎ続けた博士を想い,寂しいかぎりである。謹んでご冥福をお祈りいたします。
筆者らとそれぞれの共同研究者らは,博士と同様の原理にもとづく光ファイバー指先型パルスオキシメータOXIMET MET-1471(ミノルタカメラ社,以下OXIMET)の開発にかかわった。当時の光ファイバー式OXIMETは現在の医療現場には影も形もないが,青柳型パルスオキシメータと現在世界中で使われているパルスオキシメータとの橋渡しの役割を担ったと考えられる。
本稿では,ミノルタカメラ社(以下,ミノルタ社)でのパルスオキシメータ開発の経緯とその臨床応用への試みについて述べる。当時の資料が散逸しており,記憶が定かでない部分もあるがご寛容いただきたい。
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