特集 周産期ME機器マニュアル
新生児の監視装置
パルスオキシメータ
大石 昌也
1
,
仁志田 博司
2
1東京女子医科大学付属母子総合医療センター・新生児室
2東京女子医科大学母子総合医療センター新生児部門
pp.556-559
発行日 1991年6月25日
Published Date 1991/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900353
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近年,パルスオキシメータ(図1)は,その非侵襲性,装着の簡便性,迅速な反応性により,未熟児・新生児医療においてもその使用が増加してきている。しかし,新生児での酸素化の指標として長い間PaO2のみに慣れ親しんできた我々にとって,パルスオキシメータの測定する酸素飽和度(SpO2)による酸素化の管理はなじみの薄い概念でもある。
酸素飽和度とは,ヘモグロビンと酸素の結合の程度を示したものである。空気と血液が平衡に達した時,空気中の酸素分圧に比例して酸素は血液中に溶解する。この物理的な溶解は,血中酸素の2%程度を占めるに過ぎず,大部分の酸素は血液中のヘモグロビンと結合して運ばれ,この割合を酸素飽和度という。この飽和度は酸素分圧と直線関係はなく,S字状カーブとなっている(図2)。
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