徹底分析シリーズ 最近の薬物療法—トレンドをざっくりアップデート
抗ウイルス薬アップデート—HCV,HIV,そしてインフルエンザ
池内 和彦
1
,
岡本 耕
1
Kazuhiko IKEUCHI
1
,
Koh OKAMOTO
1
1東京大学医学部附属病院 感染症内科
pp.178-182
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201590
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ウイルスは細胞をもたず自己増殖できないという点から非生物に分類されることが多い一方で,DNAもしくはRNAによる遺伝子をもち,他の細胞を利用して増殖し進化するという,生物としての特徴も併せもっている。ウイルスはヒトから細菌まであらゆる生物に感染し,地球上におけるウイルスの総重量はゾウのそれの1000倍以上あるだろうと推定されている1)。ヒトに感染するウイルスは数百種類程度が知られているが,抗ウイルス薬が開発されているものは10〜20種類程度しかない。その中でも抗ウイルス薬に対する耐性を獲得するウイルスもあれば,耐性が問題とならないウイルスもある。
本稿では,ウイルスの耐性獲得の仕組みを概説しながら,C型肝炎ウイルス(HCV),ヒト免疫不全ウイルス(HIV),インフルエンザウイルスを例に,最近の抗ウイルス薬の進歩およびその位置づけについて概説する。
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