快人快説
呼吸のモニタリング—原理の理解,モニター開発から,超高齢社会への還元
磯野 史朗
1
,
長谷川 誠
1
,
田口 奈津子
1
Shiroh ISONO
1
,
Makoto HASEGAWA
1
,
Natsuko TAGUCHI
1
1千葉大学医学部附属病院 麻酔・疼痛・緩和医療科
pp.911-920
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201473
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
麻酔科医・集中治療医は,患者のバイタルサインを把握し,全身管理を行う職業である。ヒトの生命活動を反映するバイタルサインは,秒,分,時間,日,月さらには年単位で変化するが,われわれは,分単位で変化するバイタルサインを正確にとらえることがモニタリングであると考えがちである。しかし,生命活動とは,日内変動,季節変動もするものであり,さらに老化の影響も加わる。また,単に分単位の集合として日,月,年単位の経過を語れるものでもない。バイタルサインのプロが視野を広げれば,誕生から死の瞬間まで,ヒトのバイタルサインを長期間,連続的にモニタリングすることもできるのではないか。
本稿では,呼吸というバイタルサインに焦点を絞り,ヒトにおける呼吸をどのようにすればモニタリングできるか,その成果をどのように社会に還元できるかを議論する。
Copyright © 2019, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.