今月の主題 生理検査
技術解説
呼吸不全のモニタリング
岡田 和夫
1
1帝京大学・麻酔
pp.1126-1133
発行日 1980年10月15日
Published Date 1980/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915590
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呼吸不全では患者の換気が低下して,終局的には動脈血酸素分圧(Pao2)低下,炭酸ガス分圧(Paco2)上昇,pH下降という血液ガス異常が発生してくる.この変化が急激なときにモニターが必要になる.血液ガスは採血,測定という手順のためin vivoでの連続測定は不可能である.これの工夫として血液ガスに代わり非観血的な指標として経皮酸素ガス分圧測定や,血管内留置カテーテルによるPao2,Paco2,pHの連続測定も開発されている.これより更に臨床に則したアプローチは,呼気ガス濃度分析で,炭酸ガス濃度は肺胞換気の良否の判定に,酸素濃度はレスピレーター使用,酸素療法での治療法の効果判定に役立つ.更にこれらは死腔率,シャント率の測定,計算のために必要なパラメーターでもある.
換気の良否を知るには非侵襲的に換気旦(一回換気量,呼吸数,分時換気量)を測定するが,経胸郭インピーダンス法もこの有効な手段である.
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