症例カンファレンス
悪性症候群既往とアレルギーがある患者のう歯治療
加古 英介
1
,
佐藤(朴) 曾士
2
,
高澤 知規
3
,
前田 茂
4
,
和田 圭伊子
5
Tomonori TAKAZAWA
3
,
Shigeru MAEDA
4
,
Keiko WADA
5
1名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔科学・集中治療医学分野
2愛知学院大学歯学部 麻酔学講座
3群馬大学医学部附属病院 集中治療部
4岡山大学病院 歯科麻酔科
5国立精神・神経医療研究センター 麻酔科
pp.201-216
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201325
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悪性高熱は麻酔薬が原因となる重篤な疾患である。われわれの医療行為が直接の病因であるため,麻酔科医の間では特別な疾患として認識されている。まれな疾患にもかかわらず,すべての全身麻酔予定患者にリスクが説明され,家族歴などを確認している。一方,プロポフォールアレルギーも投薬によって引き起こされる合併症であり,患者のアレルギー歴などを詳細にチェックしている読者も多いのではないか。
今回の症例は「悪性高熱(悪性症候群の既往)」と「プロポフォールアレルギー」のリスクが指摘され,さらに脳性麻痺がある患者である。ただし手術は「う歯治療」であり,きわめて重要な処置ではあるが,患者生命をおびやかすような状況になるのは避けたい。いつもはわれわれの心強い味方である吸入麻酔薬とプロポフォールを敵にまわすことになりかねない状況である。今回は,アレルギー,歯科麻酔,障害者麻酔のスペシャリストにPLANを立てていただいた。ぜひとも参考にしていただきたい。
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