徹底分析シリーズ 輸血合併症を回避しよう
小児の輸血—血液型不適合妊娠で出生した児に起こり得ること
細野 茂春
1
Shigeharu HOSONO
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター 周産期科新生児部門
pp.48-53
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201290
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【症例】
胎児心拍数モニタリングでsinusoidal patternを認めたため,妊娠37週5日に近医から総合周産期母子医療センターに母体搬送された(臨床メモ)。胎児心拍数モニタリングで遅発性一過性徐脈を頻回に認めたため,同日,緊急帝王切開で出生した。出生時,児は啼泣が弱く筋緊張低下を認めた。蘇生の初期処置を行い,啼泣は認めたが全身蒼白なため新生児集中治療室に入室した。ヘモグロビン(Hb)7.0g/dLの貧血を認め,赤血球製剤がオーダーされた。児の血液型は,A型・Rh(D)陽性と判定され,A型Rh(+)をオーダーしたが,血液製剤がなかなか届かない。輸血部に問い合わせると,クロスマッチ(主試験)でわずかに凝集が認められ,再検しているとのこと。血液検体に取り違えはないかと逆に聞かれた。そんなことはないと思うのだが…。
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