連載 分娩経過曲線のヒミツ・9
ヘンドリックスが作成した「曲線」の功績
伊藤 久美子
1
,
立岡 弓子
2
1元 JICA
2名古屋大学医学部保健学科看護学専攻
pp.860-864
発行日 2008年9月25日
Published Date 2008/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101295
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フリードマン曲線に疑問を抱いた研究者,ヘンドリックス
第8回では,フリードマンとフィルポットの合作である国際的に作成されたWHOのパルトグラムに関する知識をご紹介しました。わが国でも分娩進行の時期診断として活用できるかどうか,試した読者の方はいらっしゃるでしょうか?
助産の臨床現場において,子宮頸管開大度,子宮収縮の間欠・発作・児頭下降度・胎児心拍数,母体の一般状態や投薬状況を同時に記載できるパルトグラムの活用は,ホリスティックに分娩経過をみていくものとして有効であるといえます。特に助産師の場合には,母親の心理状態にまで観察を深めていくためにも,経時記録による情報は欠かせません。ホリスティックに情報をつかみとれるパルトグラムのなかに,WHOのパルトグラムやフリードマン曲線のような経過の予測指標が組み込まれているものがあれば,より有効なパルトグラムになると思いませんか?
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