徹底分析シリーズ 日本版 敗血症診療ガイドライン2016—診療ガイドラインをどのように臨床に用いるか
総論2:敗血症の新定義とその用い方—弱点を知りつつ有効活用を
福家 良太
1
Ryota FUKE
1
1東北医科薬科大学医学部 感染症学教室
pp.288-293
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201074
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今回の日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG)2016が発表される1年前に,敗血症の定義・診断が改訂されるという大きな出来事があった。その内容は,従来の診断基準を完全に廃しての大幅改訂であり,日本もそれに追随し,J-SSCG 2016で新しい定義・診断基準を示している。炎症から臓器障害へ視点を変えるパラダイムシフトともいえる改訂だが,敗血症に絶対的診断基準はないため,その精度が十分か,現場で活用できるのか,議論されているのも事実であり,また,さまざまな問題点が指摘されている。診断基準には弱点がつきものなので,それらを知ったうえで有効活用するとともに,日本での検証も進んでいけばと思う。
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