症例検討 ICUにおける感染性合併症
巻頭言
宮津 光範
1
1あいち小児保健医療総合センター 麻酔科
pp.1137
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201005
- 販売していません
- 文献概要
「感染を制する者はICUを制す」
“リバウンドを制する者はバスケを制す。感染を制する者はICUを制す”。かつて集中治療をやっていた麻酔科医であれば身にしみる言葉だろう。サブスペシャリティーとして集中治療をやっている麻酔科医も,そうでない麻酔科医も,ぜひ覚えておきたい言葉である。
かつて“院内感染”と呼ばれていた感染性合併症は,現在では「医療関連感染症」と呼ばれる。カテーテル関連血流感染症,カテーテル関連尿路感染症,人工呼吸器関連肺炎,Clostridium関連腸炎,手術部位感染,などが代表である。これらは,何らかの管,デバイス挿入などの医療行為に関連して発症する。手術室やICUにおける麻酔科医による医療行為が医療関連感染症の発症原因になっているかもしれない。また一方で,それらはわれわれの心がけ次第で予防できる合併症でもある。
今回は代表的な四つの医療関連感染症をテーマとした。執筆者には,広く・深く・LiSAらしく,ちょっとマニアックだけれども読んでタメになる解説をしていただいた。本症例検討で増えた知識が明日からの麻酔科診療に少しでも役立てば幸いである。そして,感染症に興味をもつ麻酔科医が増えればなお幸いである。
Copyright © 2017, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.