症例検討 予期せぬICU入室 2
術中の大量出血—術後のプロブレムリストも解決しよう
平井 昂宏
1
,
西脇 公俊
2
Takahiro HIRAI
1
,
Kimitoshi NISHIWAKI
2
1名古屋大学医学部附属病院 麻酔科
2名古屋大学医学部 麻酔科
pp.1100-1106
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200998
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症例
42歳の女性。身長150cm,体重48kg。胆囊結石に対して全身麻酔下の腹腔鏡下胆囊摘出術が予定された。高血圧がありオルメサルタンとアムロジピンを服用している。術中,門脈を損傷し2700mLの急速出血をした。太い静脈路を確保し輸血用血液が到着するまでにヒドロキシエチルデンプン(ボルベンⓇ)を1800mL,酢酸リンゲル液1500mLをポンピングで投与した。緊急開腹術となり,最終的な出血量は4000mLであった。術中,回収自己血500mL,赤血球液(RBC)14単位,新鮮凍結血漿(FFP)15単位を投与した。尿量は6時間の手術で250mLであった。手術終了時のヘモグロビン(Hb)値は8.8g/dL,血小板数は6.8万/μL,膀胱温は33.8℃であった。術中に開始したノルアドレナリンを0.05μg/kg/minで継続している。
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