今月の臨床 母体症候―救急疾患の鑑別と初期対応
分娩時・産褥期の救急症候
1.大量出血
吉永 光裕
1
1鹿児島大学医学部附属病院周産母子センター
pp.284-287
発行日 2003年3月10日
Published Date 2003/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101054
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はじめに
分娩前後の大量出血は予測し得ないことも多く,突発的でしかも短時間での大出血を特徴とするため,出血性ショックやDICなど重篤な状態を招きやすい.そのため本症はいまだに妊産婦死亡の重大な原因のひとつとなっており,周産期管理面での重要な課題である.したがって,その対応には迅速かつ適切な判断が要求される.すなわち,分娩時の大量出血の際はその原因を速やかに究明し,全身的なショック管理と局所的な止血操作が本症の基本対策となる.
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